神奈川県の受動喫煙防止条例

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神奈川県の受動喫煙防止条例(かながわけんのじゅどうきつえんぼうしじょうれい)とは、神奈川県導入した全国初の受動喫煙防止条例のことである。

概要[編集]

平成22年(2010年)に導入された。学校病院などを禁煙、飲食店や宿泊施設を禁煙か分煙を義務付け、健康被害防止のために違反者への罰則を定めた全国初の条例である。調理場を除く床面積100平方メートル以下の飲食店、床面積700平方メートル以下の宿泊施設は規制対象外とされ、施設管理者に5万円以下、喫煙者に2万円以下の過料(罰金)を科すことができる。なお条例では、罰則を科す前に立ち入り調査や指導、命令などの措置を取るように定めている。

実態[編集]

この条例は2020年に開催予定の東京オリンピックパラリンピックに向けた受動喫煙対策として健康増進法の改正を検討している日本政府から先行事例として注目・評価された。
しかし神奈川県では条例成立から7年後の2017年3月25日まで年間1000件前後の違反が確認されながら1度も条例が適用されたケースが無かった。そればかりか事前の立ち入り調査や指導などを行なったケースも1度も無かった。この条例が効力を発したのは最初だけで、規制対象とされている大規模な飲食店や施設などでの違反件数は成立直後は一時的に減少したが、平成25年(2013年)に1156件、平成26年(2014年)に954件、平成27年(2015年)に961件と横ばい状態が続いている。
罰則を適用しなかった理由として、神奈川県は飲食店などの営業の妨げになる恐れがあると説明している。また飲食店や施設なども、分煙設備にコストがかかり、禁煙化に伴う客離れや経営悪化などが問題視されているため、この条例は事実上有名無実化している。