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(もも)は、バラ科サクラ属モモ亜属の落葉性小高木[1]スモモアンズの仲間である。また、その果実をいう。もとはあまり食用とはされず薬草の扱いであったらしいが、大陸経由で水蜜桃が伝えられて、日本の気候風土に合わせて品種改良や栽培法の改良が行われ、現在の桃になったという。ただし水はけのよい土地でないとされ、虫がつきやすいという弱点ある。生食用の白桃は袋掛けなどを行なって丁寧に育てられる。ただし黄桃や缶詰用はそこまで気を使わなくてもよいという。

概要[編集]

「モモ」は中国語由来であるという。表示に毛が生えているため「毛毛」がかな表記されて「モモ」「もも」となったという説がある。そのため、かつては、「スモモ」を「けなしもも」と呼んだ。「プラム」「プルーン」などは「李」とされるが、「杏」の果実である「杏子(あんず)」や梅の実は「桃」や「李」との区別とは別枠であるらしい。
毛があるので日本では「皮ごと食べる」ことはあまりされないが、西欧では普通に丸齧りする[2]
桃と杏は邪気を祓うとされ、「桃李」の林はある種の聖域とされる。「桃園の誓い」もあり、「杏林」は医学・薬学において一般的な名づけである。
いわゆるアーモンドもアンズの仲間であり、「苦扁桃」を品種改良して苦みのないものを食用としたものであるという。原種は青梅とともに青酸性の毒素成分(アミグダリンか?)を含むといい、ミステリでは青酸性の毒物で中毒死すると「口元からアーモンド臭がする」というのがお約束である。
なお、英語の「ピーチ」の反対語は「レモン」。スロットマシンでレモンが揃うと運が悪いとされ、中古車のハズレもレモンというため「レモン市場」という経済用語もある。トルコ語ではミントを意味する「ナーネ」という。

伝承[編集]

『古事記』にはイザナギが桃を投げつけて(葛(かづら)や串も)餓鬼を足止めする描写がある。「果実・紐・串」は民話において基本的なモチーフ(「白雪姫」など)でもある。
「鬼退治」といえば「桃太郎」なので、岡山は(果実としての)桃の名産地として知られる。

品種[編集]

原種としては「モモの王様」と云われる「白鳳」が著名である。
ただし、品種は多くあり、とはいえ味はほとんど同じである。これは採取してからの賞味期間が短いせい(傷みやすい)で、「早生(わせ)」から「晩生(おくて)」まで各種の品種が作出されたからである。日本は東西に長く流通網(とくに鉄道のネットワーク)が発達しているために、「桃の季節」において商戦が毎年起こる[3]。したがって、各国の富裕層が競って日本から航空輸送品を奪い合っているという「経済戦略物資」のひとつである。

  • 「白桃(はくとう)」- 岡山県で 1901年に偶然に見つかったといわれる。
  • 「白鳳」- 1933年に神奈川県で作出。
  • 「あかつき」」- 1952年に作出。「モモのサラブレッド」と云われる。
  • 「川中島白桃」- 祖となる品種名は不明であり、偶然生まれたという。1977年作出。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. モモ』 - コトバンク
  2. じつはキウィフルーツ(中国原産のマタタビの一種である)も丸齧りしてもそれなりにイケる。ついでにバナナの丸齧りもも試してみたが、特に不味くはなく、「これってイケるんじゃねぇ?」と思った。トマトは普通に丸かじりするが、皮が柔らかいと流通上の不都合があるため、料理用のトマト(サン・マルツァーノ種など)は瓶詰にする前に湯剥きすることもあり、茄子も「焼いて皮を剥いてから食べる」という人もいるため、「あくまで流通上の利便のためであり、個人の好みとは別物」と思えば何ということはないらしい。
  3. 「見えざる神の手」を受容しているのだろう。

関連項目[編集]